『JR東日本カップ2023 第97回関東大学サッカーリーグ戦』3部リーグ第16節は、10月7日(土)と10月8日(日)の2日間で行われた。
3部リーグ第16節 全結果・順位表
城西大 2(0-0)0 慶應義塾大学 @JOSAI SPORTS FIELD 第1G
2部リーグ昇格のため上位進出を狙う3位の城西大学は、勝点2差の2位・慶應義塾大学をホームに迎えて対戦。前半は城西大、慶大ともに積極的に攻撃を仕掛け、双方シュート5本を放つものの点の入らないまま試合を折り返した。ようやくスコアが動いたのは73分。城西大は笠木陽生のロングスローを吉川元輝が頭でそらし、最後は石倉潤征が左足で合わせてゴールネットを揺らす。先制した城西大はその5分後にもコーナーキックからチャンスを作り、オウンゴールで追加点。わずかな間に城西大が2-0とリードする。2点を追う慶大も必死でゴールを狙うが、得点ならず2-0でタイムアップ。この結果両チームの順位が入れ替わり、城西大が2位に復帰。慶大の連勝は7でストップし、3位へと後退した。
明治学院大学 1(0-1)1 中央学院大学 @明治学院大学横浜キャンパスヘボンフィールド
現在2連勝と調子を上げている8位・明治学院大学と、対称的にここ7試合白星がない6位・中央学院大学の戦い。順位が入れ替わる可能性もある勝点2差、3部リーグ中位層の対戦は序盤から動きを見せた。11分、中院大は田﨑常慈の浮き玉のパスを小柳陸がワントラップしてシュート。中院大が数少ないチャンスを活かして先制する。1点を追う明学大は後半の頭から豊田怜央と飯村晴季のふたりを一気に投入。試合の主導権を握ると、72分に大竹駿がペナルティーエリア内に切り込んでシュート。これは中院大DFが弾くものの、こぼれ球を渡辺創太が拾い、最後は飯村が振り向きざまのシュートでゴールネットを揺らした。試合が振り出しに戻ったあとは、両チーム選手交代で流れを引き寄せようとするが、再びゴールを割ることなく1-1でドロー決着。勝点1を分け合った。
平成国際大学 3(3-1)1 東京学芸大学 @平成国際大学サッカー場
前節の敗戦で7位から10位に後退した平成国際大学と、13試合ぶりの白星を得て波に乗りたい11位・東京学芸大学の一戦。降格圏内にある両チームの負けられない直接対決は開始早々にスコアが動いた。平国大は3分、大関直輝のコーナーキックに五十嵐大翔が頭で合わせて先制。平国大はその6分後の9分にもコーナーキックを獲得すると、屋宜和真の左足が直接ゴールネットを揺らして追加点。平国大が早い時間帯に2-0とリードを広げた。2点を追う東学大もアグレッシブな攻撃でゴールを狙い、42分には左サイドを抜け出した後藤健太がペナルティーエリアに切り込んでシュート。これはバーを直撃するが、跳ね返りを岩井雄史が蹴り込む。これはGKが弾くものの、そのこぼれ球を柿本音王が押し込んでゴール。3度目の正直で東学大が1点を返し、2-1と1点差に詰め寄る。だが前半のアディショナルタイムに突入すると、平国大がみたび動く。45+1分、五十嵐が右サイドをドリブルで突破。DFに囲まれながらも粘り強くボールを保持してゴール前にボールを入れる。これは東学大にクリアされるものの、こぼれ球を拾った屋宜がペナルティーエリアの外からシュート。ワンバウンドしたボールはそのままゴールに吸い込まれ、平国大が東学大との差を再び2点に広げた。後半も両チーム数多くのシュートを放ってゴールに迫るが、スコアは動かず試合終了。3-1で平国大が勝利し、再び7位に順位を上げた。
神奈川大学 2(2-0)0 國學院大學 @神奈川大学中山キャンパス陸上グラウンド
前節に8試合ぶりの黒星を喫した首位・神奈川大学と、大勝を収めて7位に浮上した國學院大學の戦い。試合は序盤に大きく動いた。まずは4分、神大のセンターバック・武笠隼季が前線に入れたロングボールを、國學大のDF、そしてGKがアミス。そのこぼれ球を拾った藤田仁朗が、ペナルティーエリア外から強烈なシュートを突き刺して神大が先制する。神大は続く11分にも、小林泰輔の右コーナーキックに田畑麟が右足で合わせ追加点。神大が2点をリードし、その後も主導権を握り続けた。前半はシュート0本と押し込まれる展開となった國學大は、ハーフタイムに磯丈成を投入して試合の流れを変えようとする。だが、神大の攻撃を跳ね返すことに追われ、無得点のまま試合終了。神大が90分を通して試合を支配し、相手のシュートを0本に抑え2-0で完勝した。神大は首位をキープ。敗れた國學大は9位へと後退した。
専修大学 1(0-0)0 東京農業大学 @専修大学生田北グラウンド
2部リーグ昇格圏内に留まるにはこれ以上負けられない4位・専修大学と、ここ3試合白星のない9位・東京農業大学の一戦。前半は東農大が優位に試合を進めながらもゴールには繋がらず、0-0で試合を折り返した。後半に入ると専大が次第にペースを掴み、72分、ついにスコアが動く。専大は浦川流輝亜が最終ライン近くからロングパスをゴール前に入れると、松本皐誠が的確なトラップでボールを収めて右足を振り抜く。シュートはゴールネットを揺らし、専大が先制点を挙げる。その後は専大が東農大の攻撃を抑えきり1-0で試合終了。専大は順位こそ変わらないものの、3位と勝点3差、自動昇格圏内の2位には勝点4差に迫った。一方、敗れた東農大は都県リーグ降格圏内の10位に後退する結果となった。
東京経済大学 4(4-1)5 共栄大学 @東京経済大学武蔵村山キャンパスサッカーグラウンド
2部参入プレーオフ圏内の4位と勝点差4の5位・東京経済大学と、自動降格圏から脱出したい12位・共栄大学の一戦。試合は前半開始早々から動いた。3分、ペナルティーキックを獲得した東経大は渡邉建太がこれを決めて先制する。しかしその1分後、今度は共栄大にチャンス。藤尾真羽斗のコーナーキックを平田陽己が頭で合わせて同点に。あっという間にゲームを振り出しに戻した。その後は一進一退の攻防戦が続いたが、33分に東経大は二宮樹希、清水俊希とつないで、最後は吉田拳也が右足シュートを決めて勝ち越しに成功する。勢いにのる東経大は45分、堤祐貴のコーナーキックを村岡瑛司がニアで逸らして3点目。さらにアディショナルタイムの45+2分、森下怜の右からのクロスに二宮がうまく合わせて4-1で前半を終了する。3点のビハインドを負った共栄大はハーフタイムに染野優輝、山口登生の2選手を一気に投入して試合の流れを変えようとする。立ち上がりは東経大にチャンスを作られていた共栄大だが、57分、岩佐夏壱が中盤からドリブルで前線にボール運び、そのまま豪快なミドルシュートを放つ。これが相手GKの手をかすめてネットを揺らし、共栄大が1点を返す。共栄大はその後も粘り強く攻め続けると、78分、岩佐スルーパスに山口が反応。右足で冷静に流し込んで3点目。共栄大は87分にも、染野のシュートのこぼれ球を山口が押し込んでついに同点に追いつく。共栄大は最後まで攻め続け、アディショナルタイムの90+1分、岩佐のクロスを佐合陸哉が頭で合わせて逆転に成功。ついに共栄大が3点差をひっくり返した。ほどなくして終了のホイッスルが鳴り、4-5で共栄大が激しいゴールの奪いあいとなった死闘を制した。順位こそ変わらないものの、共栄大は待望のリーグ戦初勝利となった。
前節は黒星を喫した神奈川大学だったが、今節は危なげない勝利で首位をキープ。一方、慶應義塾大学と城西大学の2位・3位直接対決は、城西大学に軍配が上がり順位が入れ替わる結果に。2位・城西大、3位・慶大となったが、勝点差はわずかに1。優勝、そして2部リーグ自動昇格を巡る戦いはまだまだ接戦が続きそうだ。4位の専修大学も、3位と勝点3差、そして5位の東京経済大学とは勝点7差をつけて昇格圏内の4位を堅持。一方、下位グループでは12位の共栄大学がついにリーグ戦初勝利。11位・東京学芸大学との差は2ポイントとなり、自動降格圏内脱出が視野に入ってきた。残るは6試合のみ。次節の開催は10月14日(土)と10月15日(日)。終盤にさしかかりどのチームも譲れない闘いとなる。