『JR東日本カップ2023 第97回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第19節は10月29日(日)に全6試合が行われた。
2部リーグ第19節 全結果・順位表
駒澤大学 4(3-0)0 作新学院大学 @駒澤大学玉川キャンパス
2試合連続で引き分けと優勝に向けて足踏み状態が続く首位・駒澤大学と、自力で自動降格圏を脱出するためには勝利が必須条件となる11位・作新学院大学の一戦。試合は立ち上がりから駒大が相手陣地に攻め込む展開に。すると22分、駒大は浅倉勇翔のゆるやかなシュートを相手GKが取りこぼすと、それを﨑山友太が押し込んで先制。駒大は続く27分にも、浅倉のフライパスが相手のオウンゴールを誘って追加点を挙げリードを2点に広げた。さらに3分後の30分、駒大は亀井大和がドリブルでチャンスを作ると、パスを受けた鈴木心月が押し込んで追加点。駒大が3点をリードして前半が終了する。巻き返したい作新大だったが、後半に入ってもペースを掴むことができず、後半のシュート数も2本にとどまった。一方の駒大は88分に上野正騎がダメ押しの4点目を決めて、勝負あり。試合は駒大が4-0で快勝し首位をキープ。一方敗れた作新大は10位・青学大との勝点差が10に開いたことで11位以下が確定。3節を残して2部リーグへの降格が決定した。
順天堂大学 1(0-1)2 立教大学 @順天堂大学さくらキャンパスサッカー場
勝って1部リーグ昇格へ可能性をつなぎたい7位・順天堂大学と、3部リーグ降格を遠ざけるためにも勝点を積み重ねたい8位・立教大学。7位と8位の直接対決は、序盤から拮抗した展開が続く。しかし20分、立教大は本木紀慶がペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキックを獲得する。これを嵯峨康太が冷静に決めて立教大が先制した。追加点を狙う立教大だったが、順大GK、金田大和の好セーブもあり、1点リードのまま前半が終了した。すると、次の1点が試合を大きく左右する後半で立教大が再び試合を動かす。後半開始直後の51分、立教大はコーナーキックの混戦からこぼれたボールを宮崎慎が倒れながらシュート。これがネットを揺らし、立教大が追加点を挙げる。2点のビハインドを負った順大は58分に3枚の交代カードを切り、金子遼太郎、福田凌、梶原豊を一気に投入。順大は相手陣内でプレーする時間を増やして流れを徐々に手繰り寄せる。すると74分、小林里駆のコーナーキックに交代直後の今井啓太が頭で合わせて1点を返す。この勢いのまま追いつきたい順大だったが、攻撃をシュートで終わらせることができず得点には至らない。結局、その後スコアは動かず試合終了。前半のリードを守った立教大が白星を挙げた。この勝利で、順位は変わらないものの立教大は順大との勝点差を1に縮めた。一方の順大は、昇格に向けて残り試合の全勝が必須条件となり、1部リーグ復帰がかなり厳しくなった。
早稲田大学 2(1-2)2 日本体育大学 @早稲田大学東伏見サッカー場
ともに1部リーグ昇格を目指す5位・早稲田大学と6位・日本体育大学の直接対決。試合は序盤から激しい展開となった。両チーム何度となく惜しい場面を作る中、先にチャンスをものにしたのは早大。19分、森璃太のコーナーキックに駒沢直哉が頭で合わせ早大が先制する。しかし、日体大は失点しても攻撃のペースを乱さない。35分、右サイドでボールを持った松原海斗がドリブルで相手をはがしながらパスを配球。これを受けた工藤駿が落ち着いてシュートを決め、日体大が同点に追いつく。さらに前半終了間際の45+1分、同点弾をアシストした松原が鮮やかなミドルシュートを決め、日体大が勝ち越しに成功。日体大リードで試合を折り返した。だが後半は一転、早大の攻勢を強め、積極的なシュートで日体大ゴールを脅かす。迎えた72分、先制ゴールをアシストした森がゴール前に絶妙なパス。これを走りこんでいた鈴木大翔が押し込み、早大が同点に追いつく。以降も試合は早大ペースとなったが、日体大も堅い守りで追加点を許さない。結局、試合は2-2のドローで痛み分けとなり、両チーム優勝可能性はなくなった。
山梨学院大学0(0-0)0青山学院大学 @山梨学院大学川田ツインサッカー場
首位・駒大と1ゲーム差、優勝争いに食らいつくために勝点3が必要な3位・山梨学院大学と、3部リーグ降格圏を脱出に向け勝利を渇望する10位・青山学院大学の一戦。試合序盤は青学大ペースの時間が続いたが、山学大も素早いプレッシングで相手に決定機を作らせない。拮抗した展開の中、山学大は11分に相手のミスからカウンターを仕掛け、ペナルティーエリア内で石本勝悟がゴールを狙う。だが、これは青学大GK沼田晃季が好セーブ。一方の青学大も、15分にセットプレーのチャンスから西島隆斗が頭で合わせるが、ボールは枠を外れる。後半に入ると試合はさらにヒートアップ。50分、青学大は森夲空斗が盛嘉伊人のパスをゴール前フリーで受けるものの、決め切ることができず絶好のチャンスを逃すことに。対する山学大も高い位置でボールを奪い、何度となく相手ゴールに迫るが、青学大DFの必死の守備に阻まれてネットを揺らすことができない。両チーム決め手に欠くまま時間は流れ、スコアレスドローで試合は終了。勝点1を分け合った両チームはそれぞれ、優勝、降格圏脱出に向けて足踏みする結果となった。
亜細亜大学 1(0-3)3 産業能率大学 @亜細亜大学日の出キャンパス多目的競技場
3部リーグ降格が決定したものの、最終節までに初白星を挙げたい12位・亜細亜大学と、3部リーグ降格圏脱出のため勝利を収めたい9位・産業能率大学の試合は、序盤から産能大がペースを掴んだ。産能大は19分、松森堅誠がゴール前にパスを出すと鈴木琉矢がヒールで落とし、最後は猪狩祐真がゴール右端に冷静に流し込んで先制する。産能大は続く23分、猪狩のパスに岩﨑大翔が抜け出し、亜大DFとの間に体をいれてボールをキープしながら左足を振り抜く。0-2とリードを広げた産能大だが、34分にも猪狩が放ったシュートのこぼれ球に鈴木が右足シュートを突き刺して3点目。産能大がリードを広げて前半が終了する。一矢報いたい亜大は、ハーフタイムに3枚の交代カードを切り、流れを変えようと試みる。しかし、後半も産能大が主導権を握る展開に。それでも74分、亜大は右サイドから小野寺迅がパスを供給。これ受けた矢崎晟洋がダイレクトで右足を振りぬくと、ボールは鮮やかな軌道を描いてゴールに吸い込まれる。さらに点差を詰めたい亜大だったが、後半のシュートはこの1本にとどまり1-3で試合は終了。勝利した産能大は10位・青山学院大学を勝点4差と突き放し、7位・順天堂大学を勝点2差の射程圏内に捉えた。
関東学院大学 3(1-1)2 立正大学 @関東学院大学金沢八景キャンパスグラウンド
首位・駒澤大学と勝点2差、逆転優勝目指して勝利をもぎ取りたい2位・関東学院大学と、1部リーグ昇格・2部リーグ優勝争いに食い込みたい4位・立正大学の上位対決。試合は序盤から大きく動いた。まずは15分、関東大は橋本丈が後方からのロングパスを放つと、これを受けた芦部晃生がドリブルで中央に切り込む。そのまま右足から放たれたシュートがゴールに吸い込まれ、関東大が先制。しかしその直後の19分、立正大も左サイドでボールを持った青野翔太がクロスを上げると、榊原杏太がうまくボールを収めてシュート。これが決まり、立正大がすぐさま同点に追いつく。仕切り直しとなった後半、先に動きを見せたのは立正大だった。56分、川上航立の放ったシュートのこぼれ球に宮崎海冬が反応。冷静にシュートを流し込み、立正大が逆転に成功する。だが77分、関東大はハーフタイムに投入された堀金峻明がドリブルでボールを運び、パスを供給。橋本がペナルティーエリア外からミドルシュートを突き刺し、試合は再び振り出しに戻った。2-2のまま試合は最終盤へ。このまま終了すると思われた88分、関東大はコーナーキックのチャンスを獲得。橋本丈のキックに、キャプテンの長澤シバタファリがヘディングシュートを叩き込み、関東大が3点目を挙げる。試合は3-2で終了し、関東大が最後の最後に勝利を収めた。関東大は首位・駒大との勝点差をキープ、敗れた立正大は上位争いに大きく後れを取ることとなった。
前節から順位変動のなかった2部リーグだが、優勝、昇格、残留、それぞれの争いでトピックがあった。まず、駒澤大学に敗れた作新学院大学は3部リーグへの降格が決定。9位の青山学院大学も10位・産業能率大学に勝点差を4に広げられ、2部参入プレーオフ出場が現実的となってきた。立教大学は順天堂大学との直接対決を制したものの、10位の産能大も勝点差1と肉薄。2部参入プレーオフ出場圏脱出の戦いは、さらなる激戦の様相を呈しそうだ。他方、優勝争いでは、3位の山梨学院大学が引き分け、4位・立正大学が敗北したことにより、首位・駒大と2位・関東学院大学が一歩リード。はたして残り3試合で、3位以下のチームがどれだけ追い上げるか。最後まで手に汗握る展開が続きそうだ。『JR東日本カップ2023 第97回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第20節は、11月4日(土)、11月5日(日)の2日間にかけて開催される。