『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』【1部リーグ】第6節は、5月25日(土)に、天皇杯1回戦に出場の筑波大学・明治大学関連の2試合を除く4試合が行われた。
1部リーグ第6節 全結果・順位表
1部リーグ第6節まとめ
前節で待望の初勝利を挙げた桐蔭横浜大学が好調だ。7位の国士舘大学を相手に、開始早々の3分に先制点を挙げると、前半のうちに湘南ベルマーレ内定の渡邉啓吾が2点目をマーク。後半にもダメ押しの3点目を決めて試合を決定づける。アディショナルタイムに国士大の東川続にゴールを許すものの、1-3で試合を終えて2連勝。一度は最下位に沈んだ桐蔭大だが、暫定順位ながら10位から6位に大きくジャンプアップ。一昨年のインカレ王者がようやく今季リーグ戦で反撃の狼煙を上げた。
同じく、序盤はなかなか勝てず下位にくすぶっていた中央大学も、粘り強い戦いぶりで順位をじりじりと上げている。今節は最下位の関東学院大学に苦戦し、両チームともゴールを割れないまま試合終盤へ。しかし90分、中大は右サイドの突破からチャンスを作ると家坂葉光の左からのクロスに新鉄兵が頭で合わせて先制。4分後にも関東大のオウンゴールを誘い追加点を挙げる。その1分後には関東大も岡田泰輝がミドルシュートを決めて1点を返すが反撃はここまで。アディショナルタイムに2点を先取した中大が3連勝を収め、暫定ながら3位に順位を上げた。
その中大と同勝点で2位に浮上したのが東京国際大学だ。今節はなかなか2勝目が挙げられず、降格圏内に沈む11位・東海大学と対戦。東国大は立ち上がりから古澤ナベル慈宇の突破を中心に積極的に攻撃を仕掛ける。すると8分、その古澤と止めようとした東海大のプレーが得点機会阻止とジャッジされ、佐野和希が退場に。東海大は残り80分以上を10人で戦う厳しい状況に追い込まれた。それでも東海大は粘り強い守備で東国大にゴールを許さない。優位な立場ながらも決めきれない東国大は、後半の頭から一気に3人の選手をピッチに送り出して攻撃のギアを上げる。すると57分、東国大はコーナーキックの流れから橋辺海智がこぼれ球を蹴り込んで先制。対する東海大は、GK笠原駿が脳震盪で交代を余儀なくされるなどのトラブルもあり、反撃らしい反撃ができないまま0-1で試合終了。東国大が2連勝を収めた。
8位の東洋大学と9位の駒澤大学の直接対決は、東洋大が駒大の倍以上のシュートを放ちながらも決めきれずスコアレスドローでタイムアップ。ともにひとつずつ順位を落とす結果となった。
明大、筑波大、日本大学、流通経済大学の試合が延期となっているため、暫定順位となるが、それでも前節、2位以下に勝点5差をつけた明大の首位を揺るがない。筑波大は2位から4位に後退したものの、延期試合に勝利すれば東国大、中大を上回ることができる。はたしてこの“暫定順位"が次節以降にどのような影響を与えるのか。第7節では首位・明大と3位・中大が対決。天皇杯1回戦では筑波大に敗れた明大だが、リーグ戦では無敗のまま。このまま首位を独走するのか、それとも3連勝の中大が待ったをかけるのか。次節、第7節は6月1日(土)に全6試合が行われる。
明治大学・筑波大学の『天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会』出場のため延期となっていた第6節の2試合が、8月10日(土)に行われた。
1部リーグ第6節 延期分結果・順位表
日本大学 1(1-2) 明治大学 @日本大学アスレティックパーク稲城 サッカー場
現在2位の明治大学は先週、首位・筑波大学との直接対決に快勝。首位に勝点2差に迫った。対する5位の日本大学もここ3試合は負け無しで、4位に勝点1差と肉薄している。好調同士の対戦は、早い時間帯からスコアが動いた。10分、日大はスローインからチャンスを作ると、すかさず平尾勇人がシュート。これはDFに弾かれるものの、こぼれ球を大久保帆人が蹴り込んで日大が先制する。その後は日大がボールを保持して試合を優位に進めていたが、明大も厳しいプレスでボールを奪い、次第に攻撃を仕掛け始める。すると23分、明大は左サイドでボールをキープした島野怜がゴール前にクロスを入れる。これを熊取谷一星が頭で合わせてゴール。明大が同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。明大はさらに37分、中盤で小澤晴樹がボールを奪い前線にパス。これを受けた中村草太が鮮やかなドリブルでGKをかわしてシュートを放つ。シュートは日大DFがクリアーしたものの、こぼれ球を拾った島野が右足シュートを突き刺して追加点。明大が逆転に成功する。
後半は両チーム攻めあぐね、チャンスを作りながらもゴールを割ることなく1-2で試合終了。明大が開幕以来の無敗記録を11に伸ばした。首位・筑波大も勝利したため、勝点差は2のまま。しかし第13節までの全試合を消化した筑波大に対し、明大は2試合を残しているだけに、残りの延期試合に勝利すれば首位奪還の可能性も。次週の試合に注目したい。
筑波大学 3(1-0)2 流通経済大学 @筑波大学第一サッカー場
筑波大学の『天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会』出場のため、延び延びとなっていた"茨城ダービー"が8月10日に開催された。ホームの筑波大は首位ながら、先週の試合で2位の明治大学に完敗。首位の座を守るためにも連敗するわけにはいかない。一方の流経大も昨年の"茨城ダービー"は筑波大に全敗。順位も9位と降格圏が近づいているだけに負けるわけにはいかない。そんな、意地とプライドがぶつかりあう"茨城ダービー"は、開始早々の6分に筑波大が先制。池谷銀姿郎の右からのクロスを前線に上がっていた安藤寿岐が突き刺してネットを揺らした。その後も試合は筑波大が主導権を握り、1点リードのまま前半を終了した。
だが、後半に入ると流経大も反撃を開始。52分に鈴木奎吾、59分に清水蒼太朗を投入して攻撃のギアを上げる。すると66分、左からのアーリークロスに鈴木が頭から飛び込んでシュート。これはポストに阻まれるものの、跳ね返りを清水が押し込んで同点弾。交代選手ふたりが得点に絡み、流経大が試合を振り出しに戻した。勢いに乗った流経大は71分にも松永颯汰左サイドを突破。ゴール前に入れた速いクロスを大氏凛州がダイレクトで合わせて逆転に成功する。試合の流れは流経大に傾きかけたが、ここで筑波大ベンチが動いた。77分に小林俊瑛と沖田空を投入すると、84分に相手GKのキャッチミスを小林が蹴り込んで2-2に。こちらも交代選手の活躍で筑波大が同点に追いつく。筑波大はここから一気に流れを引き寄せ、試合終盤の87分に田村蒼生の右からのクロスに内野航太郎が頭で合わせて3点目をマーク。わずか3分間で筑波大が同点、そして勝ち越し点を挙げ3-2で試合終了。粘る流経大を引き離して、筑波大が"茨城ダービー"を制した。
勝った筑波大は明大に勝点2差をつけたまま首位をキープ。ただし、この試合で第13節までの全試合を消化した筑波大に対し、明大は未消化試合が2試合残っている。延期試合の結果次第では、首位戦線に変更がありそうだ。