【結果・レポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・2部第9節
2024/06/18
『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』【2部リーグ】第9節は、6月16日(日)に全6試合が行われた。
『「アミノバイタル®」カップ2024 第13回関東大学サッカートーナメント大会』による中断直前の試合は、6試合中3試合が1-1のドロー決着になるという結果に。中断期間を前に、2部リーグはますます混戦状態となってきた。
最初の"ドロー決着"は、前節で2位の日本体育大学との"首位攻防戦"でも痛み分けに終わった首位・慶應義塾大学。9位・産業能率大学との対戦は、立ち上がりからホームの産能大がアグレッシブに攻撃を仕掛け、前半終了間際に産能大・杉山佳宏がエンドラインギリギリで折り返したボールを松山碧が突き刺して先制する。後半も産能大が優位に試合を進めるが、慶大も後半から出場の立石宗悟が起点となり、少しずつチャンスを作り、75分に茅野優希がゴールを決めて同点に。しかし、両チームその後は追加点なく1-1で終了となった。3位の早稲田大学も前半に先制点を挙げたものの、後半にハンドの判定を受け神奈川大学にペナルティーキックを献上。これを決められて引き分けに終わった。また8位の立正大学も11位の拓殖大学に追いつかれて勝ち越しならず。
首位と3位が引き分けたことで、首位と同じ勝点17の2位・日体大に首位奪還のチャンスが訪れる。しかし、6位・順天堂大学と対戦した日体大は58分に順大に先制点を許すと、そのまま同点に追いつくことなく1-0で試合終了。今季2敗目を喫した。
この結果、勝点1を重ねた慶大が単独首位に。2位は日体大、そして3位には勝点1差を縮めた早大と、上位3位は順位が変わらないままとなった。
順位を上げたのは6位の順大と8位の法政大学、そして10位の立教大学だ。順大は2位の日体大に1-0で勝利し、3位・早大と同じ勝点14で並ぶ4位に。そして法大は最下位の城西大学相手に、前半の20分弱だけでゴールを重ねて3点を先取。終盤に城西大に1点を許したものの3-1で快勝し、3連勝で6位に浮上した。また、一時は最下位に沈んでいた立教大学も山梨学院大学に3-1と快勝。降格圏から脱し9位へと順位を上げた。一方、序盤は首位を快走していた山学大は3連敗でついに7位に転落。首位に勝点5差を空けられる厳しい状況に追い込まれた。
中断前の第9節で引き分けが多発したことで、2位は3位以下10位までが勝点1差内で連なる混戦模様となった。首位と2位も勝点1差、また2位と3位も勝点2差と、上位グループも安泰とはいえない状況だ。『「アミノバイタル®」カップ2024 第13回関東大学サッカートーナメント大会』終了後に行われる第10節は、約1ヶ月後の7月14日(日)に全6試合が行われる。勝点15で並ぶ3位・早大と4位・順大の直接対決などの上位対決もあり、上位グループが大きく変動する可能性も。約2週間にわたる『「アミノバイタル®」カップ2024』の勢いを、リーグ戦に反映することができるのか。それとも不調を修正しきれないまま再開を迎えるのか。1ヶ月後の12チームの様相を楽しみにしたい。
２部リーグ第9節 全結果・順位表
２部リーグ第9節マッチレポート
法政大学 3(3-0)1 城西大学 @法政大学城山サッカー場
全国大会出場の常連、"強い法大"の復活なるか。現在2連勝中の8位・法政大学は6試合勝ちのない12位・城西大学と対戦。前節は4-0で快勝した法大は、その勢いのまま立ち上がりから城西大ゴールに襲いかかる。まずは開始直後の4分、城西大GKのパスミスを法大・中川敦瑛が奪ってすかさずシュート。先制点を挙げると、その4分後には左サイドから攻撃をしかけ、中川のパスに洪怜鎭が走り込んで追加点。キックオフから10分とたたないうちに、法大がリードを2点に広げた。法大はさらに21分、青木俊輔がミドルシュートを放つが、これは城西大GKが弾く。しかしこぼれ球を洪が拾い、最後は再び青木が右足を振り抜いて3点目。試合序盤で3-0と、法大が城西大を突き放した。城西大も何度となくチャンスを作るが、フィニッシュの精度を欠きどうしてもゴールを割ることができない。点差ほど法大が圧倒する展開ではなかったものの、城西大は終盤の84分に吉川元輝が1点を返すだけに留まった。結局、序盤に3点を先取した法大が3-1で勝利。法大はこれで3連勝となり、8位から6位に浮上。リーグ序盤は苦しんだ法大だが、勝率を五分にして中断期間を迎えることになった。
立正大学 1(0-0)1 拓殖大学 @立正大学熊谷キャンパスサッカー場
ともに前節は敗戦に終わった7位・立正大学と11位・拓殖大学の対戦。前半は降格圏からの脱出を狙う拓大が攻め込む展開に。しかし前半は両チーム無得点のまま。スコアは後半に動いた。立正大は54分、スローインから宮崎海冬がゴール前にクロスを入れると、これを多田圭佑が頭で合わせて先制する。このまま攻撃のギアを上げる立正大だったが、拓大も62分、小泉龍之介が左サイドを突破。ペナルティーエリアの左外から入れたクロスに、岡本岳が頭から飛び込んでゴールネットを揺らす。その後は立正大が何度かチャンスを作るものの、決めきれず1-1で試合終了。勝点1ずつを積み上げる痛み分けとなった。
早稲田大学 1(1-0)1 神奈川大学 @早稲田大学東伏見サッカー場
首位グループに1ゲーム差で迫る3位・早稲田大学と、その早大を勝点1差で追う5位・神奈川大学。両チーム慎重な滑り出しとなった試合は、35分に早大が先制点を挙げる。駒沢直哉がペナルティーエリアに切り込んで放ったシュートは、神大GKが防ぐものの、こぼれ球を本保奏希が蹴り込んでゴールネットを揺らす。しかし後半も終盤に差し掛かった79分、早大はハンドの判定を受けてペナルティーキックを献上。このチャンスに神大・田畑麟が冷静にシュートを沈めて1-1に。その後は両チーム追加点のないまま、1-1のドロー決着。ともに順位は変わらなかったものの、上位グループが勝てなかったためその差を縮めることになった。
産業能率大学 1(1-0)1 慶應義塾大学 @産業能率大学第二グラウンド
前節の首位攻防戦で、勝点で並ぶ2位・日本体育大学と痛み分けとなった首位・慶應義塾大学。9位・産業能率大学との対戦となった今節は、立ち上がりから産能大に押し込まれる展開に。産能大は鈴木琉矢、松森堅誠がチャンスを作るも決めきれない。それでも前半終了間際の45+1分、スローインからボールをキープした杉山佳宏がエンドライン近くでボールを折り返すと、松山碧が右足シュートで合わせ先制点。産能大リードで試合を折り返した。ビハインドを負った慶大は、後半の頭から立石宗悟を投入。すると試合の流れは次第に慶大に。75分には茅野優希が絶妙なポジショニングでマーカーを振り切ると、田中雄大からの浮き球のパスを受けて左足シュートをゴールに突き刺し同点に。試合は振り出しに戻った。だが、その後はともにゴールまでは至らず1-1で試合終了。勝点1を積み上げるに留まった。その結果、産能大は順位をひとつ下げて10位に。慶大は2位・日体大が敗れたため単独首位に浮上するという明暗が分かれる形となった。
順天堂大学 1(0-0)0 日本体育大学 @順天堂大学さくらキャンパスサッカー場
前節、慶應義塾大学と首位攻防戦を繰り広げた2位・日本体育大学が、6位の順天堂大学相手に苦戦。序盤の14分に成田安里が負傷交代するなどのアクシデントもあり、前半のシュートは菅野隆星の1本に留まった。拮抗した試合が動いたのは後半序盤の58分。順大は岩井琢朗の右コーナーキックに、三輪椋平が左足で合わせて先制する。日体大もその後、選手交代で流れを変えようとするがゴールまでは至らず、1-0で試合終了。勝利した順大は4位に浮上し、3位の早稲田大学と勝点15で並んだ。一方、敗れた日体大は順位こそ2位で変わらないながらも、これまで同勝点だった首位・慶大に勝点1を空けられる結果となった。
立教大学 3(2-0)1 山梨学院大学 @立教大学富士見総合グラウンド
第4節まで無敗で首位の座にあった山梨学院大学だが、ここ2試合は連敗で4位まで順位を落とす結果に。首位グループとの勝点差を詰めて中断期間を迎えたいところだったが、立ち上がりから主導権を握ったのはホームの10位・立教大学。14分、ペナルティーエリア内で嵯峨康太からのパスを受けた庄司朗が巧みにボールをキープ。右足を振り抜いて立教大が先制点を挙げる。山学大は反撃に移る間もなく22分にハンドでペナルティーキックを献上。これを立教大・嵯峨康太が冷静に沈め、立教大が2-0とリードして前半を終了した。2点を追う山学大はハーフタイム、一気に3人の選手を投入して試合の流れを変えようとする。しかしなかなかシュートにまで持ち込めない。すると65分、山学大のDFからGKへのルーズなパスを立教大の庄司が奪取。奪ったボールをそのままゴール右隅へと流し込んで試合を決定づける3点目を挙げる。一矢報いたい山学大も終了間際の90+5分、長山翔真のコーナーキックを吉長由翔が頭で合わせて1点を返すが時すでに遅し。立教大は3-1で快勝し、順位をひとつ上げて9位で中断期間を迎えることになった。これで3連敗となった山学大は4位から7位へと大きく後退。首位・慶應義塾大学との勝点差は5ポイントに開いた。
