7月2日(日)に、『「アミノバイタル®」カップ2023 第12回関東大学サッカートーナメント大会』決勝戦、ならびに3位~8位決定戦が行われた。
大会最終日、『2023年度 第47回 総理⼤⾂杯 全⽇本⼤学サッカートーナメント』の出場校もすべて決定し、残すは「関東最強」の座を決める戦いのみ。最終順位を決める試合も行われ、「アミノバイタル®」カップを締めくくる熱戦の火蓋が切って落とされた。
決勝・3~8位決定戦 トーナメント表・結果
決勝レポート
決勝は本大会に出場した46大学が見守る中で行われた。本年度の「関東最強」は勝てば初優勝となる立正大学か、それとも本大会初の2連覇がかかる国士舘大学か。どちらが勝っても『「アミノバイタル®」カップ』に新しい歴史を刻まれる。
開始早々のプレーで、両チームの選手が顔面を激しく接触。立正大は14番・吉野陽翔が、8分に負傷交代を余儀なくされることとなった。思わぬアクシデントで始まった試合は、ともに激しいプレーの応酬となった。立正大はディフェンスラインから確実にボールをつなぎ、中盤では18番・榊原杏太が国士大を翻弄。パスワークで国士大を崩しにかかる。対する国士大は、2週間で5試合目というハードスケジュールを感じさせない厳しいプレスで前線からボールを奪い、スピーディーに立正大ゴールへと迫る。そんな中、先に試合を動かしたのは国士大。GK、1番・髙橋拓輝からのロングボールを7番・布方叶夢が拾い、そのまま持ち運び左足のミドルシュート。これは立正大GK1番・杉本光希が弾くものの、そのこぼれ球を国士大の27番・本間凜が詰めて、国士大が先制する。反撃に出たい立正大だったが、どうしても国士大の守備を崩せない。すると前半終了間際の45+3分、国士大が立正大陣地でボールを奪い、短いパスでつなぎながら7番・布方がシュートを放つ。一度は立正大DFに弾かれるものの、こぼれ球を7番・布方自身が拾いゴール右隅に叩き込んだ。国士大が追加点を挙げたところで前半が終了。0-2と国士大が優勝を手繰り寄せる追加点で試合を折り返した。
後半も、リードを広げた国士大が優勢に試合を進めた。52分、7番・布方のスルーパスを受け、3番・望月海輝が右サイドからクロスを上げる。一度は跳ね返されるものの再び3番・望月がゴール前にボールを送り、27番・本間が合わせるがシュートはミートせず。流れを掴んだ国士大だったが、11番・坂巻日向が負傷で交代するアクシデントに見舞われる。中断の後は両チーム一進一退の攻防を繰り広げるが、どちらも決めきれない。すると86分、立正大は29番・宮崎海冬がペナルティーエリアで倒され、ペナルティーキックを獲得。18番・榊原が蹴ったシュートは国士大GK、1番・髙橋がビッグセーブ。立正大は最大の得点機を逸してしまう。それでも90+1分、立正大は右サイドからの連携で8番・西田結平が抜け出してゴール前へ。27番・山本大輝のパスをそのままサイドネットに流し込み、1点を返した。立正大はその後も波状攻撃を仕掛けて最後まで国士大ゴールを狙うが、前回大会王者の国士大は立正大の攻撃をすべて跳ね返し、1-2で試合終了。国士大が昨年に続く2回目の優勝に輝くとともに、大会史上初となる2連覇を果たした。
3位決定戦レポート
ともに準決勝では惜敗を喫した順天堂大学と国士舘大学だが、本大会最後の試合で有終の美を飾るべく3位決定戦に臨んだ。立ち上がりは順大が押し込む時間帯が続いた。開始早々の2分、直接フリーキックを得た順大は10番・小林里駆がゴール前で味方に合わせるもののシュートは打てず。8分にも、左サイドの23番・梶原豊がドリブルで仕掛けてペナルティーエリアに侵入するが、早大も厚みのあるディフェンスでこれを跳ね返す。その後も10分には18番・名須川真光、15分には24番・高木駿がゴール前でチャンスを演出。しかし、順大の攻撃を跳ね返しながら、早大も徐々にペースを掴み始める。すると29分、早大は左サイドで攻撃を展開。17番・本保奏希から2番・森璃太につなぎ、ゴール前に上げたクロスに15番・東廉が頭で合わせて先制する。順大も前半終了間際に、カウンターから10番・小林が左足を振りぬくが、早大のGK、16番・山田怜於がスーパーセーブで防ぎ、1-0と早大がリードを守り試合を折り返した。
順大は後半の頭から15番・抜水昂太を投入。すると64分、交代出場の15番・抜水がドリブルで仕掛けてクロスを上げると、ボールは左サイドから中に入ってきた23番・梶原へ。23番・梶原は早大DFを2人、3人とかわし、冷静にゴール右隅にシュートを流し込んで同点に追いつく。その後は両チーム決定機を決めきれず延長戦に突入。1-1のまま迎えた延長後半、102分に早大がスコアを動かす。ゴール前で混戦になると、順大DFのクリアが早大の14番・山市秀翔に当たり、そのままゴールへ。早大のこの勝ち越しゴールが決勝点となり、気温30度を超える熱戦は1-2で終幕。早大が3位に輝いた。
5位決定戦レポート
総理大臣杯出場を決めた中央大学と法政大学の一戦は、開始直後にスコアが動いた。4分、法大の10番・髙橋馨希の右コーナーキックに飛び込んだのは、31番・大畑凜生。頭でうまく合わせ、法大が早々に先制する。中大も23番・牧嶋波亜斗、9番・加納大を中心にサイド攻撃で組み立てるが、最後のところで嚙み合わない。中大が前半に放ったシュート数はわずかに1本。前半は法大が優位に試合を進めるが、後半は逆に中大がディフェンスラインから丁寧にボールをつなぎ、ボールを保持する。63分には、法大DFのクリアミスを奪った中大の20番・山本航生が、そのままGKをかわしてゴールに流し込み、1-1と試合を振り出しに戻した。法大は中大のボールを中盤で奪取してカウンターを狙うが、追加点を挙げたのは中大だった。79分、3番・牛澤健からのパスを28番・常藤奏が右サイドで受け、法大DFの背後に浮き球のスルーパス。これに17番・坂本康汰が反応。ダイレクトで法大GKの頭上を越すループシュートを放つ。その後、法大は途中出場の2番・竹内豊、9番・久保征一郎らが中大ゴールを脅かすが、最後まで追加点が遠く2-1で試合終了。中大が5位で大会を締めくくった。
7位決定戦レポート
筑波大学と東京国際大学。ともに総理大臣杯を逃した1部リーグ所属チーム同士の対戦。先にペースを掴んだのは筑波大だった。6分、左サイドで11番・遠藤海斗がショートパスでの連携からペナルティーエリアに侵入。グラウンダーのクロスを上げると、ゴール前の混戦から最後は22番・小林俊瑛がシュートを放つが、これはミートせず。続く8分にも、自陣ゴール前から長短織り交ぜたパスで東国大のゴールに迫ると、9番・半代将都がドリブルから右足一閃。だが、こちらもわずかにゴール左に逸れる。対する東国大は10番・重野祥輝を中心に、シンプルなボール運びとラインを整えた守りから鋭いカウンターで攻撃を展開。前半終了間際には、筑波大の隙をつく攻撃を見せるが点は決まらず。両チーム崩し切ることができずスコアレスで前半が終了。
後半の立ち上がりも両者譲らない展開となった。そんな中、先に試合を動かしたのは筑波大。68分、9番・半代のペナルティーエリア内での仕掛けに、東国大DFが思わず足をかけて倒すと、これがペナルティーキックの判定に。9番・半代自身が思い切りのいいシュートでゴールネットを揺らし、筑波大が先制する。筑波大は77分にも、13番・高山優のコーナーキックを2番・沖田空が豪快なヘディングで叩き込んで追加点。2-0と東国大を突き放す。しかし、これで終われない東国大も81分、中盤でボールを奪うとショートカウンターを仕掛ける。最後は13番・吉田眞翔が左足を振りぬき、ゴール左上隅にシュートを突き刺す。その後も筑波大ゴールに迫る東国大だったが反撃はここまで。2-1で振り切った筑波大が勝利し、筑波大が7位、東国大が8位となった。