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JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦・1部第19節マッチレポート

2021/02/04


 『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第19節は、12月15日(火)に延期分の1試合、12月16日(水)に延期分の1試合が行われた。


駒澤大学 対 立正大学


 直近の明大戦で大敗を喫し、立て直しを図る駒澤大学(勝点29・暫定5位)と、全国大会出場のためにも5位・駒大を直接叩きたい立正大学(勝点24・暫定8位)の一戦。

 来年1月に控える全国大会出場に向けて勝点3が欲しい両チーム。試合は開始早々から激しい攻防戦が繰り広げられた。立正大は丁寧にボールを動かして駒大の陣形を崩して好機を演出。9番・小川大智のキープ力を活かしながら、空いたスペースを巧みに使って駒大ゴールに迫る。立正大は、駒大の球際の強さを活かした攻撃にも上手くファウルを誘って対応した。一方の駒大は高い位置でボールを奪い、素早い攻守の切り替えからカウンターのチャンスを狙う。しかし両者決定機を迎えてもシュートは枠を捉えられず。駒大は7番・荒木駿太のミドルシュートがバーを弾くなどツキにも恵まれず、スコアレスで前半を終えた。

 試合が動いたのは後半開始直後だった。まずは46分、立正大の18番・平松昇が右サイドへ展開すると、26番・大室慶将がワンタッチでゴール前へクロスを送る。このボールに反応した18番・平松がペナルティーエリア内に素早く侵入。左足で合わせて立正大が先制する。57分には再び26番・大室のクロスに9番・小川が落とすと、またもや18番・平松がボレーシュート。一度は駒大GK21番・鈴木悠太に阻まれるものの、自らこぼれ球を押し込んで2-0に。リードを2点に広げた。まず1点を返したい駒大は、その直後の60分、32番・中村一貴がゴール前へロングスローを入れるが、これは相手が大きくクリア。しかしそのこぼれ球を13番・江﨑巧朗が拾う。右足を振りぬいたシュートはゴール右隅に突き刺さり、駒大が1点を返して1点差に詰め寄る。その後も駒大は9番・矢崎一輝、30番・森本ヒマンら前線の選手を次々と投入し追加点を狙うが、立正大の堅い守備を崩し切れずタイムアップ。

 勝利した立正大は5位・駒大との勝点差を2に詰め、全国大会出場に望みを繋げた。




桐蔭横浜大学 対 法政大学


 直近の試合からスターティングメンバーを大きく入れ替えて連戦に臨んだ桐蔭横浜大学(勝点36、暫定3位)と、リーグ戦復帰後は負けなしで勢いのある法政大学(勝点24、暫定7位)の一戦。

 試合は開始から法大ペースで進んだ。法大はテンポよくパスをつなぎ、桐蔭大の守備を翻弄。16分にはゴール前で15番・飯島陸が桐蔭大DFのパスミスを奪取。そのまま鋭いシュートを放ち、法大が先制する。その後も法大は後ろから丁寧につないでボールを保持。攻撃を組み立ててペースを握る。30分には、3番・高木友也の突破に桐蔭大DFがたまらず足を出してペナルティーキックを献上。このチャンスに、法大は11番・竹本大輝がゴール左下にしっかりと決めて、0-2に。40分には11番・竹本が放ったシュートが桐蔭大DFにあたり、桐蔭大GKの前に流れたところを9番・平山駿がゴールに押し込み3点目。法大の勢いは止まらず、続く43分には、23番・関口正大のクロスが流れたところを、15番・飯島が反応して追加点。法大が前半だけで8本のシュートを放ち、0-4と桐蔭大を大きく突き放して試合を折り返した。

 しかし後半に入ると桐蔭大も反撃を開始。49分、法大GKのクリアミスを桐蔭大の11番・篠原友哉が拾いすかさずシュート。一度は法大DFに弾かれたものの、こぼれたボールを40番・水野颯太が勢いよく押し込み桐蔭大が1点を返す。さらに桐蔭大は62分、10番・鳥海芳樹、26番・山田新、8番・加々美登生の3選手を同時に投入。攻撃の活性化を図る。すると66分、法大のパスミスを拾った4番・鍋田純志が縦にドリブル。4番・鍋田からパスを受けた8番・加々美が右足でグラウンダーのクロスを入れると、これに40番・水野が合わせ追加点をあげる。一方の法大はミスが続き、前半のような勢いを見せることができない。それでも桐蔭大にそれ以上の得点を許すことはなく、2-4のまま試合が終了した。前半に怒涛の4得点を挙げた法大が、後半の桐蔭大の勢いを抑え込んだ。

 勝利した法大はこれでリーグ戦復帰から4戦負けなしで勝点10を積み重ねた。全国大会への出場可能性を残し、今後の結果が注目される。




 『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第19節は、11月29日(日)に4試合が行われた。


早稲田大学 対 中央大学 @味の素フィールド西が丘


 1部リーグ優勝に向けて1試合も落とせない早稲田大学(勝点37・暫定1位)と、こちらも1部リーグ残留に向け、なんとしても勝ちが欲しい中央大学(勝点9・暫定12位)の一戦。

 開始わずか1分、早くも試合が動く。バイタルエリアまでボールを運んだ早大13番・杉田将宏が出したラストパスは中大DFにクリアされる。しかし、跳ね返りを早大4番・鍬先祐弥がダイレクトでゴール左隅に突き刺し、早大が見事先制に成功。油断のない攻撃でいきなり中大にプレッシャーをかける。一方、立て直したい中大はGK21番・坪井湧也を中心とした積極的なビルドアップをするも、早大の統率された守備に阻まれ、ペースを掴むことができない。すると19分、早大は右サイドからのパスを受けた8番の田中雄大がペナルティーエリア内に侵入し、左へとパスを展開。そこに走り込んできたのは、逆サイドでフリーになっていた2番・阿部隼人。強烈なミドルシュートを突き刺して2-0とし、早大がその勢いを加速させる。その後も早大が主導権を握ったまま前半が終了する。

 両チーム交代なしで後半を開始。するとまたも開始早々に早大がチャンスを迎える。51分、バイタルエリアでボールを保持していた早大8番・田中が、ペナルティーエリア内の11番・水野雄太にパス。それを受けた11番・水野は豪快に左足を振りぬき、GKの手を弾き飛ばす力強いシュートで追加点。早大が3-0と中大を突き放す。依然として早大がペースを握る展開が続き、このまま試合が終了すると思われた90+2分。交代で入った中大の22番・鈴木翔太が華麗なテクニックで左サイドをえぐり、マイナスのパスを送り込む。このパスは一度相手DFにブロックされるが、そのこぼれ球に反応した中大7番・髙岸憲伸が右足を振りぬき、中大が1点を返す。反撃に移りたい中大だったが、試合はここでタイムアップ。3-1で明大が勝利した。また同会場第2試合の結果、早大が勝点で明大を上回り単独トップに浮上。1部リーグ優勝に向けて大きな一歩を踏み出した。




明治大学 対 順天堂大学 @味の素フィールド西が丘


 同勝点の早稲田大学とデッドヒートを繰り広げ、優勝に向けて1試合も落とせない明治大学(勝点37・暫定2位)と、4連勝を目指す順天堂大学(勝点32・暫定3位)の一戦。

 立ち上がりは両チーム主導権を譲らず、球際での激しい争いが繰り広げられた。明大は14番・持井響太と10番・小柏剛のスピードとテクニックを活かして攻撃を仕掛ける。しかし、これらはあと一歩のところで順大DF陣の体を張った守りに防がれてしまう。献身的なDF陣に応えるかのように、試合は次第に順大のペースに。18番・大森真吾が起点となり、ボールをキープしては11番・塩浜遼や23番・白井海斗がシュートまで持ち込むが、なかなか決め切ることができない。結局、スコアは動かずスコアレスで前半は終了した。

 試合が動いたのは後半開始早々の50分。バイタルエリアでボールを受けた順大11番・塩浜が、左サイドでフリーになっていた23番・白井にパス。23番・白井が、これを冷静にゴールへと流し込み、順大が先制する。負けられない明大もその5分あと、ペナルティーエリア横で受けた26番・木村卓斗が上げたふわりとしたクロスに、11番・佐藤凌我が頭で合わせて同点に追いつく。その後は両チーム一進一退のにらみ合いに。ドローで終わるかと思われたが、試合終了間際の89分、順大は左サイドからのロングボールを収めた18番・大森が、ペナルティーエリア内で相手4人に囲まれながらもボールをキープ。そこから出したパスに、16番・小林里駆がダイレクトで合わせてゴールに押し込む。土壇場で順大が勝ち越しに成功し、1-2で試合終了。順大が前節の早稲田大学に続き、2位の明大を下し上位2チームに連勝。全国大会出場に向けて大きな勝点3を手にした。




筑波大学 対 専修大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド


 直近の試合では終盤に追い付かれ、引き分けに終わるなど勝ちきれない筑波大学(勝点18・暫定9位)と、前節の試合では2度リードを許しながらも4ゴールを奪って逆転勝ちし、最下位から脱出した専修大学(勝点10・暫定11位)の一戦。

 筑波大が勝利すれば降格圏との勝点差は11となり、1部リーグ残留に向けて大きく前進できる。かたや降格圏の専大も勝利すればまだまだ残留争いに食い込める。生き残りを懸けた両校の一戦はまさに「天国と地獄」と表現するのに相応しい試合となった。
前半は専大ペース。前節の国士舘大学戦では2ゴールを挙げ、専大の攻撃の核を担う16番・村上千歩を中心に攻め込むが、放った8本ものシュートはポストに嫌われ、また筑波大の守備陣にブロックされるなどしてゴールネットを揺らせない。対する筑波大は11番・森海渡を軸として、縦に早いサッカーで専大のスペースを突くが、専大守備陣も踏ん張りゴールを許さない。

 0-0で迎えた後半は、スコアレスのまま一進一退の攻防戦が続く。だが、試合は終盤に大きく動いた。まずは85分、専大は敵陣でボールを奪った14番・郡司侑弥が9番・遠藤翔太へとつなぎ、18番・吉田和拓へとスルーパス。抜け出した18番・吉田が中央へ折り返すと、14番・郡司がシュートを放つ。これは筑波大GK1番・櫻庭立樹に防がれるものの、ファーサイドへと流れたボールに詰めたのは15番・浦川流輝亜。ダイレクトで押し込んでゴールネットを揺らす。2連勝に向けて大きな先制点を奪った専大だったが、喜びは長くは続かない。直後の88分、今度は筑波大が反撃。33番・庄司夢ノ介がドリブルで左サイドからゴール前までボールを運び、カットインからシュート。これがブロックに入った専大DFの足に当たって角度が変わり、ゴールへと吸い込まれる。ラッキーな形で同点に追い付いた筑波大は、その勢いのまま1分後の89分、9番・小林幹のスルーパスにオフサイドラインぎりぎりで抜け出した13番・和田育が独走。GKとの一対一から放ったシュートはGKに防がれるものの、こぼれ球に自ら詰めて追加点。筑波大が2-1と逆転する。しかし専大も最後まで粘り強く戦い抜く。アディショナルタイムに突入した90+4分、専大は左サイドでフリーキックを獲得。GKの28番・大野来生までもが攻撃に加わり総攻撃を仕掛ける。キッカーの10番・鈴木龍之介はフェイクを入れ、ワンテンポ遅らせてボールを放り込むと、ニアサイドの18番・吉田が頭で合わせる。専大がゴールネットを揺らした直後に笛が鳴り、試合は終了。最終スコアは2-2と、文字通りのラストプレーで専大が追い付き、両チーム勝点1を分け合った。

 とはいえ、先制点を奪っただけに専大にとっては悔しいドロー。残り試合もわずかとなり、1部リーグ残留は依然として厳しい状態だ。一方の筑波大は波状攻撃で一気に逆転を成功させたが、守備陣が最後まで耐えることができなかった。どちらも勝点1を得ながらも、勝点2を逃すこととなった。この影響が、残留争いにどこまで影響を及ぼすのか。


国士舘大学 対 慶應義塾大学


 全国大会出場に向けて、もう負けられない国士舘大学(勝点26・暫定6位)と、前節に後期リーグ初勝利を挙げ、連勝して上位に近づきたい慶應義塾大学(勝点19・暫定8位)の一戦。

 今季1部リーグに昇格したチーム同士の対戦は前半から迫力のある攻防が展開された。サイドを大きく使いながらボールを保持する国士大に対し、慶大はゴール前で体を張った守備をみせ、国士大に得点を許さない。だが23分、国士大は33番・棚橋尭士が中盤でパスカット。ボールを奪うと25メートル程の距離から強烈なドライブシュートを突き刺して先制点を挙げる。国士大はその後も10番・松岡大智、11番・梶谷政仁を中心に慶大ゴールに襲い掛かる。しかし慶大の固い守備の前に追加点を挙げられずにいると、試合の流れは慶大に傾き始める。32分、慶大は11番・内桶峻が右サイドで起点を作ると、ペナルティーエリア内にいた7番・杉本崇太朗を経由して14番・橋本健人へとボールが渡る。パスを受けた14番・橋本は国士大DFを一人かわすと、冷静にゴールへとボールを流し込み、試合を振り出しに戻す。その後は互いに決定的なチャンスを作ることができず、前半は1-1で終了。

 後半に入ると、慶大は安定した守備からロングボールを効果的に使い、カウンターからゴールを狙う。一方の国士大は前線に機転が作れず、押し込まれる状況が続く。前半、同点に追いついた慶大が勢いのまま主導権を握って試合を進める展開。すると79分、慶大は左コーナーキックを獲得。キッカーの14番・橋本の左足から放たれたボールを、3番・酒井綜一郎が打点の高いヘディングでゴールネットに突き刺し、慶大が逆転に成功する。国士大は9番・新井晴樹、16番・有田稜らを投入して流れを変えようとするが、最後まで粘り強く守る慶大の壁を打ち破れず、1-2で試合が終了。
前期リーグのリベンジを果たした慶大はこれで2連勝。最高の形で次節の早慶戦へ進むこととなった。



 次節の第20節は12月5日(土)に駒沢オリンピック公園陸上競技場にて13:00から早稲田大学と慶應義塾大学が対戦。この伝統の一戦は、『第71回早慶サッカー定期戦』としても開催される。12月6日(日)には流通経済大学龍ケ崎フィールドにて11:00から順天堂大学と専修大学、13:30から桐蔭横浜大学と筑波大学、AGFフィールドにて11:00から法政大学と中央大学、13:30から明治大学と立正大学の試合が行われる。

 最下位に沈む中大は今節も敗戦。3日後に行われた、第8節延期分の試合でも敗れたことで、今節で10位の法大に敗れると2部リーグ降格が確定する。11位の専大も試合終盤に試合を動かしたものの引き分けに終わり、9位・筑波大との勝点差を縮めることはできなかった。また優勝争いでは、首位を走る早大が勝利を上げた一方、明大が今季4敗目を喫する結果に。依然として試合数に差はあるものの、早大が明大に勝点3差をつけて単独トップに。リーグ優勝へ向けて大きく前進した。そして、この上位2チームを相手に連勝を収めた順大が明大に勝点差2、早大に勝点差5と、じわりとその差を縮めている。さらなる混戦模様となってきたリーグ戦。次節は伝統の『第71回 早慶サッカー定期戦 -早慶クラシコ-』も控えている。延期分はあるものの、残りはわずか3節。どのチームもラストスパートを仕掛け、熾烈な争いが続くことだろう。
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